
「歩くときに膝がきしむ」「階段の上り下りで膝が痛む」といったお悩みはありませんか?
それはもしかしたら、変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)のサインかもしれません。
膝の痛みは、日常生活の質(QOL)に直結する大切な問題です。
この記事では、変形性膝関節症の病態や原因、当院での検査・治療法、
そして当院が特に力を入れている専門的なリハビリテーションについて
分かりやすく解説します。
変形性膝関節症とは?
繰り返される「動的ストレスの増大」が軟骨をすり減らす変形性膝関節症の
主な病態は、膝関節のクッションである「関節軟骨」の摩耗(すり減り)です。
私たちの膝には、歩行や階段の上り下り、立ち座りといった日常の動きの中で、常に「動的ストレス(動いているときに生じる負荷や衝撃)」が加わっています。
加齢や筋力低下、あるいは骨の並びの崩れなどが原因で、この動的ストレスが増大すると、軟骨にかかる負担が許容量を超えてしまいます。その結果、軟骨が徐々にすり減り、関節の変形や強い痛み、関節液が溜まる(いわゆる「膝に水が溜まる」状態)を引き起こすのです。
変形性膝関節症が起こる原因(要因)
変形性膝関節症は、単一の原因ではなく、複数の要因が絡み合って発症・進行します。主に以下のようなリスク要因が挙げられます。

当医院(段医院)での診断と検査
当院では、患者さん一人ひとりの膝の状態を正確に把握し、適切な治療方針を立てるために、丁寧な診断と検査を行っています。
・詳細な問診・触診
「いつから、どんなときに痛むか」をお伺いし、膝の曲がり具合(可動域)
腫れや熱感の有無、圧痛点(押すと痛む場所)を細かく確認します。
・X線(レントゲン)検査
関節の隙間の狭まり具合や、骨のアライメント(骨の並び)を正確に評価します。
変形性膝関節症の治療は、大きく分けて「保存的治療(手術をしない方法)」と「外科的治療(手術)」の2つがあります。
【保存的治療】
・薬物療法(痛みのコントロール)
まずは日常生活を楽に送るために、炎症と痛みを抑える治療を行います。
・内服薬・外用薬
消炎鎮痛剤(痛み止め)の処方や湿布、塗り薬による局所の消炎。
・ステロイド関節内注射
非常に強力な抗炎症作用を持っており、関節内の炎症を速やかに鎮め、
劇的に痛みを和らげる即効性があります。
・ヒアルロン酸注射
膝関節の動きを滑らかにし、軟骨を保護するための関節内注射です。
定期的に行うことで、クッション性と潤滑性を補います。
・PRP療法(多血小板血漿療法)
PRP療法とは、患者さんご自身の血液から、組織を修復する成分
(血小板)を高度に濃縮して 抽出し、再び膝関節内に注射する
先進的な治療法(再生医療)です。
PRP療法は自由診療(保険外診療)となります。
ご興味のある方は、医師やスタッフまでお気軽にご相談ください。
【外科的治療】専門医療機関へのスムーズな連携
保存的治療を行っても強い痛みが続き、関節の変形が進行期に進んで日常生活に大きな支障が出ている場合は、手術(外科的治療)が選択肢に入ります。
当院では、的確な診断のもとで手術が必要と判断された場合、信頼できる基幹病院や専門医療機関へのスムーズなご紹介・連携を行っておりますのでご安心ください。

運動療法(根本的な機能改善)
薬で痛みを和らげると同時に、膝を支える力を取り戻す運動療法が非常に重要です。動的ストレスに負けない膝の環境を作るため、以下の2つのセルフエクササイズを基本に、関節を支える筋肉の強化や、硬くなった筋肉の柔軟性を高めていきます。
ハムストリングスストレッチ(太もも裏の柔軟性アップ)
太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)が硬くなると、膝が完全に伸びきらなくなり、歩行時の負担が増してしまいます。

①椅子に浅く腰掛け、片方の足を前に伸ばします
(踵を床につけ、つま先は上を向ける)。
背筋をまっすぐ伸ばしたまま、おへそを太ももに近づけるように、
上半身をゆっくり前に倒します。
②太ももの裏が心地よく伸びているのを感じるところで30秒キープします
(息を止めずに自然な呼吸で)。
左右交互に3回ずつ行います。
パテラセッティング(大腿四頭筋の筋力強化)
パテラ(お皿)を上方に引き上げる筋肉である「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」を鍛え、膝関節を安定させます。

①床に足を伸ばして座ります。
膝の下に、丸めたタオル(またはクッション)を敷きます。
②膝の裏でタオルを床に押しつけるように、太ももの前の筋肉に力を
入れます。このとき、お皿が内上方に引き上がるのを意識してください。
力を入れた状態で5秒間キープし、その後ゆっくり緩めます。
これを10〜15回を1セットとし、1日2〜3セット行います。
変形性膝関節症の悪化を防ぐためには、軟骨をすり減らす直接の原因となっている「動的ストレスの軽減」を図ることが不可欠です。そして、その軽減を図るための重要なアプローチの1つが、「動的アライメント(動いているときの骨や関節の並び・姿勢)の改善」にあります。
レントゲン写真などの静止した状態では問題がなさそうに見えても、実際に歩く・階段を上るといった「動きの中(動的)」で膝が内側にねじれ、不自然な負荷がかかっているケースは非常に多く存在します。
当院のリハビリテーション科では、以下の専門資格を持つ理学療法士が、患者さん一人ひとりの状態に合わせた高度なアプローチを行います。
認定理学療法士(運動器・スポーツ)による高度な動的評価
日常生活の動作分析を通じて、患者さん一人ひとりの「歩き方の癖」や「不自然な膝のねじれ」をピンポイントで見抜きます。動的アライメントを根底から改善し、膝へのストレスを最小限に抑えることで、痛みのない過ごしやすい日常生活動作(ADL)を提供します。
JSPO-AT(日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー)による
スポーツ動作分析
「膝が痛くてスポーツを楽しめない」とお悩みのスポーツ愛好家の方へ。スポーツ現場の第一線で求められる専門的なトレーナー資格を持つ理学療法士が、競技特性に応じたスポーツ動作へ直接アプローチし、楽しいスポーツライフへの復帰を全力でサポートします。
膝の痛みにお悩みなら
変形性膝関節症は放置すると徐々に軟骨の摩耗が進んでしまう進行性の病気ですが、早期に適切な治療と専門的なリハビリを行うことで、進行を遅らせ、痛みのない快適な生活を取り戻すことができます。
当院(段医院)は、兵庫県姫路市北西部に位置し、地域の身近な「整形外科・リハビリ対応のクリニック」として地元の皆様に寄り添った医療を提供しております。
「最近、立ち上がるときに膝が痛む」「姫路市、たつの市や宍粟市の近くで、しっかり動きを見てくれる整形外科やリハビリ対応の医院を探している」という方は、ぜひ一度当院へご相談ください。スポーツ現場の知見を活かした質の高い理学療法と温かみのある診療で、あなたの膝の健康と快適な毎日を全力でサポートいたします。
何か気になる症状がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
参考資料
科研製薬株式会社 患者さんの悩みに整形外科医が答える 変形性ひざ関節症Q&Aブック
日本理学療法士協会ハンドブック シリーズ7 変形性膝関節症