
こんにちは。
姫路市林田町にある「段医院」院長の段秀和です。
「たかが捻挫」と思って放っておいていませんか? グキッとひねってしまう足関節捻挫は、日常やスポーツ現場で非常に多くみられる怪我です。しかし、適切な治療を受けずに放置すると、関節の緩みや痛みが残存する可能性がございます。
本記事では、足関節捻挫の中でも特に痛めやすい「前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)」の損傷に
ついて、メカニズムや正しい対処法をQ&A形式で分かりやすく解説します。




足首の構造は、骨と骨がバラバラにならないよう、強固な紐のような組織である「靭帯」で結ばれています。足首の外側にはいくつかの靭帯がありますが、その中で最も傷つきやすいのが「前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)」です。
靭帯は骨と骨を繋いで関節を安定させる大切なロープのような役割を持っているため、これが傷つくと関節を支える力が弱くなってしまいます。









~メカニズム~
足関節捻挫の約8割以上が、足首を内側にひねる「内がえし捻挫」です。
人間の足首は、構造上、外側よりも内側に動きやすい性質を持っています。
そのため、着地でのバランス崩れや段差に乗り上げた際、体重が外側にかかると、脚の裏が内側を向く方向(内がえし)へ強制的に曲げられてしまいます。
このとき、足首の外側を必死に支えようとしている「前距腓靭帯」に限界以上の引っ張る力が加わり、損傷してしまいます。





足関節捻挫の代表的な症状には以下のようなものがあります。

「歩けるから大丈夫」と自己判断するのは禁物です。適切な初期治療を行わないと、緩んだ状態で固まってしまい、将来的に何度も捻挫を繰り返す「慢性足関節不安定症」につながることがあります。



現在のスポーツ医学では、早期の適切な保護と段階的な運動を促す心身のケアを含めた「PEACE&LOVE(ピースアンドラブ)」という指導法が基本となっています。
従来は「RICE(安静・冷却・圧迫・挙上)」が主流でしたが、過度な安静や冷やしすぎは、かえって組織の修復を遅らせることが分かってきました。そのため、現在は以下のような考え方に基づいた応急処置と指導を行っています。
【回復を促す指導法:PEACE&LOVE】
急性期(怪我の直後)は「PEACE」(保護、挙上、不適切な抗炎症薬の回避、圧迫、教育)を意識し、亜急性期(数日後以降)からは「LOVE」(適切な負荷、楽観的思考、血流促進、有酸素運動・エクササイズ)を取り入れ、心身両面から回復を目指す指導を行います。




受診いただいた際は、まず触診や視診を行い、どこに痛みがあるか、
関節のグラつきがないかを確認します。
X線(レントゲン)検査: 捻挫と見分けるのが難しい「剥離骨折(骨が靭帯に
引っ張られて剥がれる骨折)」や、その他の骨折が
隠れていないかをしっかりと確認するために必ず
行います。
超音波(エコー)検査: リアルタイムで筋肉や靭帯の動き、損傷具合を
確認できる検査です。足首を動かしながら靭帯の
緩みを評価する際にも有用です。




足関節捻挫の多くは、手術をしない治療法で改善が見込めます。
保存療法:受傷直後は、安静、薬物療法、注射療法といった保存療法をベースに行います。
ギブスやサポーターで足首を適切に固定して痛みをコントロールしながら、靭帯の修復を待ちます。




復帰期の「再発予防と安心感」
競技や日常生活に復帰する際、まだ完全に筋力や感覚が戻っていない足部をサポートします。左右の動きを制限し、前距腓靭帯が引っ張られない環境リスクを減らします。
ただし、「安心だから」と長期間頼りすぎてしまうと、足部の筋肉が痩せてしまったり、足首の本来の柔軟性が失われたりすることがあります。状態に合わせて適切に脱着していくことが大切です。
当医院のサポーターについて
当医院では、競技や日常生活に復帰する際に「義肢装具士による足関節固定装具」を処方します。
※本装具は医師の処方のもと、義肢装具士が調節・適合確認してご使用する足関節固定装具になります。




靭帯が治っても、足部が硬いままであったり、周囲の筋力が低下したままで
あったりすると、高い確率で捻挫を再発します。
当院の理学療法では、患者様一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドの
プログラムを提案いたします。
固有受容感覚(バランス感覚)の訓練
靭帯が傷つくと、「足首が今どういう角度になっているか」を脳に伝えるセンサーの機能が低下します。バランスディスクなどを用いてこの感覚を再教育し、捻りそうになった瞬間にパッと踏ん張れる体に調整していきます。

また当医院では ![]()
「認定理学療法士(スポーツ・運動器)」や「JSPO-AT(日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー)」の資格を保有する理学療法士が在籍しています。
単なる痛みへのアプローチにとどまらず、それぞれの競技特性に応じたスポーツ動作そのものを分析・指導し、万全な状態での競技復帰を全力でサポートします。
さらに、マイクロカレント(微弱電流)、高電圧電気刺激療法(ハイボルテージ)や超音波療法(US / LIPUS)、これらを組み合わせたコンビネーション治療を導入。最先端の物理療法を駆使し、1日でも早い早期復帰を目指します。
当医院の理学療法士の活動実績について

物理療法機器(超音波治療器)について





テーピングは、サポーターと同様に関節の補強として役立ちます。伸縮性のないホワイトテープや伸縮性のあるテープで固定する方法や、キネシオテープで筋肉の動きをサポートする方法など、目的によって使い分けます。

テーピング方法(足関節)について ![]()
メリットとしては、一人ひとりの脚の形やその日の腫れの具合に合わせて微調整ができる点です。一方で、正しい知識を持って巻かないと効果が出ないばかりか、血流を阻害してしまうこともあります。当院では、ご自身やご家族がご自宅・現場で巻けるような、正しいテーピングの指導も行っています。
~まとめ~
足関節捻挫(前距腓靭帯損傷)は非常に身近な怪我ですが、「放っておけばそのうち治るだろう」と軽視してしまうと、関節の緩みや痛みが残存する可能性がございます。
早期に適切な処置を行い、段階的なリハビリテーションを進めることが、元の生活やスポーツ活動に安全に戻るための鍵となります。
「足が痛く歩きにくい」「不安定感がある」「姫路市、たつの市や宍粟市の近くで、しっかり動きを見てくれる整形外科やリハビリ対応の医院を探している」という方は、ぜひ一度当院へご相談ください。
何か気になる症状がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
段医院
院長 段秀和
参考資料
一般社団法人 日本スポーツ整形外科学会 スポーツ損傷シリーズ 2.足関節捻挫
〒679-4206 兵庫県姫路市林田町林田20番地